支払調書の見方は? 【確定申告】源泉徴収税の額は、確定申告時にどこへどう記入するか解説
支払調書で支払額と源泉額を確認しよう
サラリーマンの給与では源泉徴収票がありますが、支払調書は、フリーランスや自営業者が、クライアントからギャラ受取時に天引きされていた源泉所得税の情報を1年分、まとめてお知らせいただく紙です。この金額を元に、確定申告の源泉徴収額に入力していきます(源泉所得税が多ければ、還付が受けられます)
こんな感じの紙↓。

以下にそれぞれ出版社からのもので、表記が違ってたものを紹介します。
1)「支払金額」に「消費税」が含まれていなくて、源泉額も、消費税抜きの金額に対して源泉されています。別立てになっていました。用紙の下のほうに「消費税額」というのがあるのでわかります。

2)こちらは、消費税の欄がないことから、税込み(内税)で計算されています。

そしてもうひとつ、
3)「内」マークが付いているパターンです。

さて、では、確定申告の際、どこに 支払調書の項目を入力すればいいのか、見方を確認しましょう。オンラインの「確定申告書作成コーナー」を使う前提です。
支払調書と確定申告書の対応する記入欄は?
国税庁の確定申告書作成コーナー(e-taxも同じサイトです!)との対応で、どこにどこを入力すればいいでしょうか。
まず支払調書の紙で、「支払金額」❷と「源泉徴収額」❸に注目しましょう。↓

この2つの金額を「所得税及び復興特別所得税の確定申告」のコーナーに入って、「所得に関する入力」で「事業所得(営業等)」(売上金額の表示されるところ)をクリックします。事前に申告する内容で「営業所得」と「源泉あり」をチェックしておかないとなりません。

続いて、「事業所得の入力」画面の下のほうに出てくる「源泉徴収されている収入の内訳」の見出しの下の「入力する」をクリックします。

続いて、「+源泉徴収された収入を入力する」をクリックすると、1件ずつ支払調書の内容を転記できるようになるので淡々と額を入力していきます。

支払調書との対応
1件ごとの入力欄です。なおこのUI、2025年ごろに新UIに統一されました。以下のようになっています。

上のほうで紹介した支払い調書の写真の中の番号❷と❸は、この図の❷と❸の欄に対応します。
各欄の入力については、以下の通りです。
❶….支払調書に記載のクライアントの名前と住所(文字数制限があるのでビル名は省略可)を入力します。
❷….「収入金額」の欄には、一般的に支払い調書の「支払金額」を入力します。
❸….「源泉徴収税額」の欄には、一般的に支払い調書の「源泉徴収税額」を入力します。
❹….「支払調書額が2段で記載(内書き・円)」には、通常はチェックを入れずに空欄で済ませます。入力する例は、次の項を参照してください。
種目については、、請求案件名のようなものなので、わかりやすければいいと思いますが、あえていえば一般的に支払い調書の「区分」を入力しましょう。
「内書き」がある場合
3)のケースに、下図のように、支払調書に「内」の欄がある場合があります。

この場合であれば右側の源泉徴収額の「内 13264円」にあたる部分は、❹に入力します。
(もし内書きがあったとして省略したとしても、計算自体は❸に入力した源泉総額で計算されるはずです)
要は未収(売掛)になっている年末の請求分にかかる源泉徴収
この内書きですが、11月、12月に売上が立ったものなど12月末時点は実際には支払されていない分を抜き出した額になります。
確定申告をする者は、現金主義を除いては、請求書で11, 12月に売上に乗せた支払についてはその売上金は「未収金(売掛金)」になっています。
クライアント側ではまだ支払っていないので、「支払金額」に含めず、かつ「源泉徴収税」も記載ゼロ(翌年に回す)ということになります。すると、自営業者は、売上は計上=所得税は払う計算/けれども、その売上に相当する源泉税を差し引くことができず、さらに翌年に計上(還付)となる。2年越しの回収になってしまうのは、なんだかアンフェアですよね。
そこで?親切(?)なクライアントさんでは丁寧に「支払予定額」と「支払予定源泉徴収額」というのを上乗せして記載して、その予定額を含めて申告できるようにしている支払調書があり、その金額が「内書き」されているというわけです。
それがこのケースです。「内」とある部分は1月以降の支払い予定額です。しかし、内書よりは、下の大きな金額のほうを必ず「支払金額」と「源泉徴収税額」へ入力することが大切です。
源泉徴収されていない取引は何かするのか?
源泉徴収がされていない取引先の分(個人事業主からの支払いなど)はどうするでしょうか?こちらについては、売上以外は入力する必要ありません。源泉されてないので、こちらの欄には記載する必要はありません。
源泉税額を適切に入力できているかを確認する
入力した源泉徴収税額は、確定申告書Bのフォーマット上(右側欄の上中程)に合計金額が「源泉徴収税額(49)」に表示され(下図赤囲みの部分)、所得税額から差し引かれます。ざっくりと、源泉された売上の10%くらいの額が計上されているはずです。
ほとんどの支払が源泉されている業務形態では、基礎控除や所得控除もあるので、源泉額よりも所得税は通常低くなるので、「還付される税金(53)」に還付額が表示されると思います。
支払い調書を書類に添付しただけでは還付金はもらえません。このように金額を入力しないと、まったく所得税が減らないので、ビギナーの方は、要注意です。

ここまでで、基本的な見方と記入先に説明はおしまいです。
ではなんでいろいろなパターンの支払調書があるの?
取引先の会社からの支払調書がすべてそろえば、上記のように収入欄に粛々と収入と源泉の金額を写すだけ。では、先に紹介した通り、何種類かの記載方法があるのはなぜ?でしょうか
私も、確定申告を始めたばかりのころは分からなかったのですが、所得税源泉額の計算は、各社ルールでOKらしいんで、そのために複数のパターンがあるらしいのです。
まず、源泉の徴収額は税込・税抜どちらでもOKです。そこは各社で決めることのようです。
1000円(税抜)のギャラを源泉する場合を例にとってみましょう。この時期を最初に書いた時点では消費税は8パーセントでした。記事が読まれている現在の消費税にもよりますが、
まず、我々フリーランスは、1080円(税込み)で請求しますよね。
1)税抜で源泉するケースは、
1000円に所得税と復興税の 0.1021%をかけます→源泉が102円
税金の80円はそこでは含めない(そのまま)
(この場合の入金額(手取り)は、1080-102=1058円)
2)税込で源泉する方々は、
1080円に所得税と復興税の 0.1021%をかけます→源泉が110円
(この場合の入金額(手取り)は、1080-110=970円)
「支払金額」は出版社が支払ったお金、源泉して納めた税金額がその隣の「源泉徴収税額」です。ギャラが振込されたときの入金額には、「支払金額-源泉徴収税額-(銀行手数料)」が振り込まれているはずです。
※ このように、すっごい微妙なんですけど税込で源泉されると入金が減るんですよね。
なので、一番上にあげた1)のパターンと2)のパターンでは源泉時の消費税の入れ込みが違います。
フリーランスの印象としては、
1)消費税込みで源泉額を決められると、天引きが大きくなるのでギャラ受け取り時に目減り感がある
2)もしも印税や原稿料が税込みとして契約されていると、消費税があがったときの受取額の目減りがある
で、
1)については、確定申告で戻ってくるレベルなら全然構わないと思います。
2)に関しては、以前あった話なのですが、、、、よくよく調べてみたら、もし消費税あがって目減りしたら、これ、消費税転嫁違反でなんだそうす。。。多くの人は、税込み会計をしていると思いますが、本来自分たちのもらっているギャラはほとんどの職種で「税込」です。なので、消費税が上がったら、自動的にその分が上載せされないといけません。会社は、とくに出版社の印税はずっと長らく続いたりするので気づきづらいですが、同じ金額ではいけないんですよね。今年2019年は再び要注意だと思います。
実際にどこかから指摘があったらしく、あとからけっこうな額の消費税上乗せ分を支払ってくれた会社があります。また、そういうのをスルーしてる感じのある会社もあります
そういえば、追記ですが、
3)同じ会社からの振り込み(部署が違っても)で100万円を越える分の収入については、源泉は倍になる(200万円の振り込みがある場合、100万円分は源泉が10.21%で、残りは20.42%になる。)
これは請求日は関係ないみたい(ふつうは同じサイトなので同じ請求月ってことにはなると思うけど)。100万円を越えた額が大きいとけっこう大きい額が源泉で引かれてしまいます。
年末に売上済みの請求について、予定源泉徴収金額が書かれてない場合は?
では、予定金額が不親切で^^;、書かれてない場合は? というか、各社違ってて気持ち悪くない?ということありますよね。
ここからは、支払調書丸写しから卒業したいタイプの人向けになります。
計算の手間はややこしくなりますからそれでもいい、分かってる人向け。
税理士先生曰く、同じ発生主義ということであれば、未収金分の源泉徴収額は、自前で追加して確定申告書に載せることが可能だそうです。
その場合は、「収入金額」には自分が年末に請求した金額を、「源泉徴収税額」には「収入金額」の今年なら0.1021などと自分で計算して予定額を、合計した上で入力します。
例えばですが、A社には
1〜10月に10万円+税の売上、源泉は10210円あったとします。
12月に5万円+税の売上、源泉は5105円だとします(正確なところ1月以降に入金額で確かめましょう)
A社からの支払調書に「支払108000円」「源泉10210円」とあったとしても、申告時には12月分を足して、
「収入金額162000円」「源泉徴収税額15315円」
と申告することが可能です。
自分で計算して入力するのは勇気がいるかもしれませんが、大幅に間違っていなければつっこまれる心配はないでしょう。^^; また、これをやってしまうと、A社からの翌年の源泉徴収が届いたとき、申告がダブらないように翌年は、忘れずに前年分を差し引かないとなりません。
ということでいかがでしょうか、フリーランスの方の申告時にお役に立てば幸いです。
なお、上のように「今年からは、支払い予定も前倒しに申告しよう〜!」というふうに方針を切り替える年に気をつけたいのは、「収入金額」の合計が、単純に「売上」よりも大きくなるとエラーで先に進めなくなるという点です…。これは、収入が100%源泉されている人だけの問題になると思いますが、お気をつけください。
支払調書にマイナンバーの申告が必要?
マイナンバーを記載しなければならないのは、支払元の取引会社→税務署に提出書類です。また、マイナンバーで「他人に見られてはいけない」ので個人宛には印刷しないらしいです。が、マイナンバーを取引先企業に申告しなければ、支払調書がもらえない? それはないみたいです。私の経験ではマイナンバーを1) 請求しない会社(義務だろうが、マイナンバー管理など対応できないからしない) 2)請求してきて送った会社 3)請求してきたけどこちらから送ってない会社 があるんですが、どの会社さんも支払調書を出すときは出してくれます。単純に取引先にはとくに出さないと決めている会社はあると思います。
参考にこちらのリストもどうぞ
確定申告お役立ち記事のまとめ(源泉徴収、支払調書、仕訳、E-taxなど)
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