メモ:Kindle アマゾンで電子書籍を自分で出す
Kindle Direct Publishingで個人出版が可能になったときに一度ブログを書いたっきりだったので、変わった点が出てないかちょっと調べてみました。
KDP(Kindleダイレクト・パブリッシング)は、アマゾンアカウントひとつですぐに始められる、個人出版のためのアマゾンのプラットフォームです。
Kindleダイレクト・パブリッシングでの電子書籍作成
KDPに登録したら、著者本人や著作管理者(代理人)は直接サイトから本を公開、価格や宣伝文を設定して登録すると、最短当日中(エラーがあればだめですけど)に本がアマゾンのKindleコーナーで販売開始できます。電子書籍の作成は、読み物の本であればWord、もしくはEPUBで作成した文書を公開できます。表紙は別途画像ファイルで用意する必要があります(アマゾンのサイトでは対応ファイルが、Word(doc)、HTML、Mobi、EPUBとありますが、Mobiクリエイターというものがあるわけでもないし、HTMLで書いても1ファイルでなければまとめるのにEPUB化するほうが現実的だと思います)。EPUBについては、手書きできる人もいらっしゃるだろうし、画像が沢山なければ、マークアップで書いて各種のEPUB変換などを使うのがよさそうですね。
ちなみに、Wordは使用している人も多いので人気のツールだと思いますが、Wordでも縦書きのKindleブックを作ることが可能だそうです。
* Kindleは、目次ページを配置するのを推奨しているので、個人的な感想としては、目次がめんどくさい。どんなツールでつくっても自動で目次を作れるといいのにな。
* いつのまにかPDFでもUSサイトでは発行できるようになってるっぽい。PDFに文字レイヤーを入れたKindleレプリカは以前からあったのでその延長系か。リフロー推進とかいってたのでなんか変だけど図版中心のものはPDF本でも事足りるといえばたりるわな。
* Kindle 本はツールが充実してきて制作の敷居はだいぶん下がってきています。ただし、レイアウトの美しさには限界があります。ガイドラインを確認してみると、Fixレイアウトのマルチメディア、画像系の仕様はずいぶん充実していますが、テキスト本の基本的な概要に関してはKindle Format8 or EPUB準拠、ということで大きな変化はないと思います。
* しかし、去年からMedia Query対応してるんですね。端末ごとにレイアウト表示分けできるのかー。
印税と印税の受取方法について
昨年から、日本でのKDP売上に対しては、アメリカで自動的に所得税が引かれることがなくなりました。以前は必要だった日本に住んでいる人を証明する届け出は必要なくなってます。また、振込先の銀行は、KDPの管理画面から指定できます。
KDPで販売する本は、販売価格の35%もしくは70%のどちらかに印税が設定されます。日本向けに70%印税にするには、
①アマゾンで一番安い価格で販売
②販売価格を2.99〜9.99ドルに設定(日本円では現在 250円〜1250円の間で設定)
にします。印税は一定額がたまると指定口座に振り込まれます。電子書籍の配信コストの負担があるため、テキスト本はほぼ心配なしですが画像が多いマンガの配信などはその分が印税から引かれることを考慮します。
…と、変わっていないようでいろいろと変わっているなあというのが感想でした。
ちなみに、KDPの売上は、もちろん個人の収入となりますので、該当するひとは、確定申告も必要になります。
担当してる電子書籍での売上について
2016年1月現在、日本にはたくさんの電子書店があります。マンガについては版元が独自に運営するものもあるし、人気のプラットフォームも違うようですが、読み物中心の書籍についてはいまのところ、Amazonでの売上が一番高いというのが実情ではないかと思います。
自分の担当したのの売上表をみると、アマゾンがだいたいはトップで、Koboやキャリアなどの読み放題、そしてGoogle PlayやiBooksや紀伊國屋が続くといった印象があります(完璧な資料を貰ってないのでざっくりした印象ですが…)。アマゾン以外のキャリアに凸凹が出るのは、キャンペーンをしたのか、クチコミにいい点数があるのか、またはそもそも販売ページにリンクが存在するか(著者や販売元で、プロモーション段階から他のストアの流れを配慮したか?)などが関係するように思います。電子書籍は、やはり上位やキャンペーンで露出してクリックされやすいものが売れます。それ以外は、販売促進のための遷移リンクが外部にないと動きが鈍くなるのではないでしょうか。
一番最初に出した組の電子書籍は発売からは3年半以上たちます。最初から一切なにも宣伝していない(ブログ記事さえない)本や最初こそ多少宣伝したもののというものであっても、一度ある程度売れた本はそのままだらだらと売れ続けており、まったく売れなくなったりはしません。
私がもらっている担当した電書の報告では、動きのある各書はだいたい、毎月50〜100冊の間でうごいてます。まあ販売価格が安いので、売上は知れてますが(笑)。
紙の書籍の場合は、上りも下りも明確で、「もう棚にないんだな」という感じがします。並んでなければ探して買う人はあんまりいないんですね。
オンラインマーケティングでは実際はトップがひとり勝ちでロングテールなどないのかな、と思ってましたが、電子本は在庫リスクが
ないこともあり、多少のロングテール感は実感できてます。古い本でも、読者にとっては関係ないですし、再度キャンペーンやリンクが増えることがあれば、あとから売上があがることもあ
ると思います。このあたりは、アフィリエイトに近いのでは。
とりあえずざっとKDPをみなおしただけなのでまとめはありませんが、ことしも電子書籍の新規企画や販売促進、がんばりたいと思います。
【近刊:平成27年度確定申告対応】
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