ポルトガルの列車や、リスボンの地下鉄(メトロ)の乗り方。電磁型の乗り放題カードviva viagemの購入や交通アプリについて
ポルトガルに行ってきましたので、ポルトガル国内の公共交通や、リスボンの地下鉄、また地下鉄の乗車に必要なカード(Viva Viagem)購入などについて紹介します。
アイコニックなトラムは一度は乗ってみたいが
リスボンはポルトガルの首都で人口約50万人の都市。観光名所を走るトラムが有名ですが、地下鉄とバスの交通が発達しています。というのも、もともとトラムが発達した都市ですが、全盛期に比べると廃止された路線も多くカバーエリアはだいぶん減っているのだそう。のんびり走る光景は福眼そのものなのですが、観光客の乗り込みが多いこと、そもそものキャパシティが小さいため車内はすし詰めになりやすく夏の観光シーズンにはスリに気をつけなくてはならないナンバーワンの場所とのこと(これは宿のホストも言っていた。地下鉄は普通に気を付けていればスーパーセイフとのこと)。おそらく風景をのんびり楽しむつもりで、出発駅から終点まで座って乗るくらいのつもりでいくのが良さそうです。
これは有名なトラム28号線。ロッシオからの坂を登って、観光ナンバーワンの地、サン・ジョルジェ城(Castello de St. Jorge)の近くを通る線です。
なんといっても1度の乗車で2.80ユーロもかかります。数駅だと歩いて5分とかそんなもんなので、坂がきついとはいえちょっと高すぎるし、車内が混んでいて立ちだと窓からの風景もほとんど見られません。ただ、車体ギリギリの狭い道を通ったりするのでちょっと怖いくらいの迫力は味わえます(笑)
もしもトラムに乗る予定があり節約したいならば、メトロの駅で後述のvivaカードのday passを購入するとよいそうです。
トラムはCarrisの運営なので、公式サイトから路線図をチェックすることができますが、トラムとバスと一緒になった地図が超でかい。むしろ見づらいです。どちらかといえば、Wikipediaの地図がシンプルでわかりやすいです。現在の路線は、12E、15E、18E、25E、28Eがあるのかな? 各トラムの停車駅はWikipediaのポ語に載っています。それぞれの電車の写真の横の赤いバーの部分の「Expandir」ボタンから全ての駅が表示できます。15Eと18E、28Eはだいぶん長い距離を走っています。12Eは環状線になっていますね。単純に行き先検索だけなら、Google Mapsで検索してもいいのかも。24Eという路線は再開予定のまま停止したままのようです。
坂が急すぎてジャッキ状のものでトラムのお尻側が持ち上げられてる! 降りるときも同様なまま!
<トラムの乗り方>
1回2.8ユーロ。
基本的に、前の入り口から乗って運転手に現金で直接払います。バスやトラムの運賃は現金で払いましょう(もしかするとクレジットカードが使えるところもあるかもしれませんが、ちょっとあやしい)。支払後には受け取り(レシートのようなものですが、それが乗車券)をくれるのでしばし待つこと。また、出口は後ろです。トラムの中に、あまり数は多くないのですが、「ストップ」ボタンがありました(多く降りる場所は多く乗るのであまり心配ないと思いますが)。
バスは都度払いも可能でトラムより安く便利
リスボン市内には、大きな黄色いバスがたくさん走っています。バスとトラムは両方Carrisという会社の運営です。バスのカバーするエリアは広く、石畳の坂道に歩き疲れたら利用するのはよい手だと思います。特に、都市のメイン交通手段であるメトロはほとんどが地下(郊外にいくと地上w)を走っていますから、入るのに階段を降りる必要があるのですが、改札口までは探せば1カ所(あるいはゼロ)はエレベーター(Elevador)があり、改札からプラットフォームまでは、たいていはエレベーターは動いていません(障害者や車いすの人用で、ふだん動かないみたい)。ということで、エスカレーターが備わっている確率は半々のため、大きな荷物を持ってのメトロ移動はけっこう辛いです。荷物が大きく平らな移動を好む場合はバスをお勧めします。
<ローカルバスの乗り方>
1回ごとの支払いの場合は1.8ユーロ。乗る距離に関わらず料金は共通です。前のドアから乗車して直接ドライバーに支払います。支払後には受け取り(レシートのようなものですが、たぶん乗車券)をくれるのでしばし待つこと。車内の前方などにシルバーシートがあるので、確認して座るとよいでしょう。車内にはSTOPボタンがあるので降りたい駅の前で押せば停留所に留まります。また、降車は後ろからです(邪魔にならなければ、前から降りても迷惑にならなければ怒られはしません。たとえば運転手さんに停留所をたずねて前で待っている場合など)。ちなみにポルトガルの自動車は左ハンドルの左通行です。
バスの路線を調べるのはこまかく大変ですが、公式ページからルート検索も可能です。わたしはGoogle Mapsで調べました(笑)
<空港とリスボン中心街をつないでいるバス>
メトロでもリスボンの国際空港(Lisbon Portela Airport)が入っているので中心街までメトロで移動できますが、AEROBUSという空港バスはけっこう便利です。平らなので大きな荷物をもって階段を上がり下りしないでよいのですし。バスは2路線あり、それぞれ30分に1本は走っています。空港では行きたい場所を告げれば(英語通じる)、どちらのバスかも教えてくれ、降りる場所も教えてくれます(ただし、バスが全駅止まるわけではないので注意)。AEROBUSのサイトではルートや事前販売なども行っています。リスボン自体小さいので、空港から中心街までは30分程度です。
メインの公共交通は地下鉄:Metro
メトロを使えばリスボンでは大概の行きたい場所へは行けるでしょう。たまに鉄道(CP)のほうが便利な場所はありますが。東京の感覚だと、メトロ(営団地下鉄)とJR(旧国鉄)が同じ駅で接続しているのは当たり前なのですが接続駅はごく少しですし、駅から駅もだいぶん遠いです。気軽に乗り換えるイメージはありません。メトロは乗り換えしても首都圏内で1回の乗車、均一料金でどこまでも行けるのでメトロに乗ったらメトロ乗り換えで目的地に向かいましょう。
赤いMマークが目印ですが、町中での表示は大変小さくて町中でやっと気づくくらい控え目。
メトロの地図は、公式ウェブサイトで参照できます。「ダウンロード」ボタンからPDFが開くのでスマホに保存して出かけると便利でしょう。City Centreと俗に呼ばれる場所は、MetroのRossioのようなのですが、観光の中心ならば、Caise do Sodro あたりに宿をとるのもいいんじゃないかと思います。Baicha-Chiadoもとても便利ですが、駅にショッピングセンターがあり地元の買い物客も多く、まわりのカフェは観光客向けのところが多く、ちょっとビジーすぎるように思います。
メトロは4本で色分けされています。赤、緑、青、黄色で線の名前自体が色。ゆえに
Linha Vermelho(赤:コンパスのアイコン)
Linha Verde(緑:ヨットのアイコン)
Linha Azul(青:カモメのアイコン)
Linha Amarelo(黄:ヒマワリのアイコン)
という名前です(詳しくWikipediaにもあった)。青と緑を色だけで判断しようとすると、うっかり勘違いしそうなのですが、ブルーラインはカモメでグリーンラインはヨットと覚えると安心。
<メトロの乗り方>
2018年現在は1回の乗車賃は1.45ユーロです。
乗る前に、1回券の乗車券や、一日乗り放題のデイパスなど何らかのコンタクトレスの乗車カード「vivaカード(viva viagem)」を購入する必要があります。カードがないと、乗車時に自動改札が通れません。
コンタクトレス乗車カード「vivaカード(viva viagem)」はチャージタイプとチャージできないタイプがあり、チャージできないタイプは紙製です。値段は後述。
切符(viva viagemカード)を購入したら「○」の点灯している自動改札のタッチエリアにカードをあて、ドアが開いたら通過します。ヨーロッパはoutをチェックしない駅やメトロが多いですが、出口の改札もしっかり自動改札があり、カードが正当なものでないと改札が出られませんので注意。
出口でも、「○」が点灯している自動改札でカードをタッチし、外に出ます。
写真はどちらも一回券ですが、緑が列車の駅で買った方で、白がメトロで買ったものでした。
<メトロカードVIVA Viagemの購入オプション>
Vivaカードは、自動券売機や対人券売所(information)で購入しましょう。英語での最新情報はこちら。
バスと違い、地下鉄に乗るには乗車のためには必ずコンタクトレスのVivaカードを購入しないとなりません。カードは3種類、チャージできない使い捨て紙製、チャージタイプのプラスティックタイプ、プラスティックICカード付きタイプがあります。ICカードは在住者向け機能なので今回は割愛します。
1回の乗り捨て券であっても24時間や数日使える設定にした乗り放題デイパスであってもチャージなしはペラッとした紙です。この紙のviva viagemカードは発行料金が1枚ごとに0.5ユーロ必要で、切符を買う度に0.5ユーロ代金が必ずかかってしまいます。一方、チャージタイプを買えば、カード代金は一度きりで済みますが、カード代金は7ユーロかかります(ただしこちらのほうがMetro運賃は1.31ユーロと少し安くなるようです)。カード代金がだいぶん高くなりますね。
ゆえに数日の観光にお勧めなのは、24時間乗り放題のチャージなし券を2-3日分まとめて1枚で買ってしまうことだと思います。2018年現在、乗り放題は1日6.30ユーロです。これで地下鉄とバス、トラム(Carris/Metroの両方)に乗れるので、移動が多めならお得だと思います。さらに近郊鉄道(CP)も乗れる一日券は10.40ユーロ。まとめ買いすれば1枚のviva viagemカードで複数日分もたせられるので(もし失くすと大ダメージですが)、いちいちカード代金を取られることもないのも精神衛生上よいところ。なお、支払いにはクレジットカードが使えます。また、24時間乗り放題のカードのスタートは最初に改札を通した時間から始まります。
まとめると、
リスボンの地下鉄の運賃は、
- 地下鉄の1回運賃 1.45ユーロ
- 24時間乗り放題 6.30ユーロ(地下鉄とバス、トラム)
- 24時間乗り放題 10.40ユーロ(地下鉄とバス、トラム、近郊鉄道)
- ※ほかにフェリー(Transtejo)に乗れる券もある
viva viagemカードは、
- チャージなし(紙) 0.5ユーロ
- チャージあり(プラ) 7ユーロ
近郊や遠くの街へ行くには鉄道(CP: Comboios de Portugal)
リスボンから近郊へでかける際に鉄道が便利な場合もあります。また、遠くに出かけるならばもちろんです。リスボン近郊に限っては、自動改札が普及していたので、鉄道(CP)も地下鉄と同じviva viagemカードを使って自動改札を通って出ます(とはいえ、田舎にいった場合にそっちの駅は無人で改札はないのですが)。私は自動販売機は使いませんでしたが、対人の切符売り場で行き場所を言い、片道か往復か告げると切符を買えます。人前でも自販でもクレジットカードが使えます。
リスボンにある主な鉄道駅(Estação)は、以下です。
- Lisboa-Santa Apolónia (Oporto/ポルトやCoimbra/コインブラ方面に行く列車の始発駅です)
- Lisboa-Rossio
- Lisboa-Entrecampos(Sintra行きの列車が出ています)
- Lisboa-Oriente(オリエンテはリスボン・ポルテラ空港にほど近い大きな駅で長距離バスの出発地のようです。ポルト行きの列車やスペイン行きの夜行列車など通りますが、始発駅はSanta Apolóniaになります)
- Lisboa-Cais do Sodré(FerryやMetro、バスの駅でもありいろいろ便利。Cascais(カスカイス、ヨーロッパ大陸の西の果てに近い駅)行きの電車が出てます)
- Lisboa-Sete Rios
CPの国内ネットワークはこんな感じです。いろいろ詳しくはWikipediaもどうぞ(英語)。
公式サイトのhow to travelで詳細をチェックできます。各駅を通る列車の名前は駅名検索から分かります。旅のルートを調べる際は、行き先がはっきりしていれば、ルート検索をするのが一番わかりやすいと思います。
公式サイトやCPアプリの検索は便利なものの、戸惑うのは、地名でなく駅名を指定する箇所です。リスボン駅というのはないのでLisboaだけの指定ではダメで、どこかの駅を指定しないと検索開始できないのですが、駅名がわからなくても検索候補から適当な駅を入れればなんとか検索を開始できます。そしてその際、まったく接続方法がない駅が選択されていれば、検索結果が得られません。また、検索結果でServiceの欄に「TC」と書かれているところがあればTransporte Complementar(Complementary Transport)、つまり「なんか代替サービスで来て/行ってね」という意味で列車が繋がってないとわかり、その次の駅が本来の列車乗車駅なのだということがわかります。。。
この上の画像で、列車のアイコンがあるところは列車があるところです。アイコン下のアルファベットは列車名を表していて、数字は列車番号です。(上の例ではUはUrban 線はリスボン、ポルトなどにある都市圏線のこと、ICはIntercidades 特急線-200km/hくらいで走る列車です、RはRegional 線:ローカル線のこと)。TCは列車が通ってないところなのでおおよそかかる時間を掲示しています(!)
以下のようにスマホアプリもあり、スマホで行き先を検索したらそのまま事前にチケットがカードで購入できるのでとても便利です。
iOSアプリ – Comboios de Portugal
https://itunes.apple.com/pt/app/comboios-de-portugal/id1105415627
Androidアプリ – Comboios de Portugal
https://play.google.com/store/apps/details?id=pt.cp.mobiapp
クレジットカードがあればこのアプリから列車チケットが購入可能です。購入可能なルートの場合、検索結果で「Buy」ボタンが表示されます。ただし、Buyボタンが表示されない場合もあります。原因は「TCのルートが含まれている」か「ネット発売していない列車」か「発車直前の電車」のいずれかかと思います。
<鉄道CPの乗り方>
鉄道に乗る際は予め切符を購入します。曜日や時間帯によって同じルートの同じ列車でも料金が異なります。平日の不便な時間帯(朝すごく速い、すごく遅いなど)は概して安いです。日時によって料金は異なりますが、同じ便なら人前窓口で買ってもアプリで買っても同じ値段です。
よく分からなければ窓口で買うと手っ取り早いかも。アプリの場合は、クレジットカードとPayPalが使えるのですが、なぜかPaypalが使えないというエラーも。また、スパム防止などの関係か国外(日本などから)は決済が完了しない場合もあります。ポルトガル国内では問題なく使えると思います。クレジットカードは決済用パスワードが必要になるので、しっかり調べておきましょう。
ポルトガルの列車の駅には改札はありません。チケットは、スマホで購入した場合国内線はスマホのチケット画面を検札でみせればOKです。あまり細かく詮索してきません(笑)また、プリントアウトした印刷紙を見せる方法、駅で買ったチケットを見せる方法があります。駅で買ったチケットはレシートのような薄っぺらい紙ですが、そこにバーコードが印刷されており、車掌さんは手持ちのバーコードリーダーでそれをチェックします。捨てないように!
長距離列車の場合は指定席が基本なので、チケットに「等級」「車両の番号」「席番号」が記載されています。(スペインもおなじでした)
- 等級は、1等車がComfort、2等車がTouristaです。
- 何号車かは(カーゴ)、Coche:の番号を見ます。
- 席番号(シート)は、Plazaの番号とアルファベットを見ます。
で、注意したいのが乗り込み時です。日本の感覚だとほとんどの場合は各車両が繋がっていてどこで乗ってもあとで自由に車両を移動は可能なのですが、ポルトガルの列車は1車両にドアが1つ、しかも車両同士で通過できない場合がけっこうあります(いつもではないのですが)。なので、がんばって乗り込み時に自分の車両番号を探して乗ってください。(私は最初これがいろいろわからずあとで「車両番号」を探すのに苦労しました。車内には車両の入り口小さな表示があるか、まったくわからないかです)
電車に乗ったら席に座ります。大きなカバンは車両入り口付近におくことができ、頭上にも小さめの荷物を置くことができます。また、長距離特急などは電源も供給されています。
降車時は検札はありません。それぞれに降りるだけです。
乗り換えがある場合、乗り換え駅に着いたら次の列車の着くプラットフォームを探さねばなりません。乗り換え駅には、各プラットフォームかチケット販売所(待合所)、駅の入り口などに設置された液晶ディスプレイで数本先までの発車情報が表示されるので、それで次の電車の発車時刻が示された列車を探し、プラットフォーム番号を確認して移動します。液晶板には終点駅しか書かれてないですが、チケットや乗り換え案内アプリでは何行きの列車か(終点駅名)は書かれていないので、発車時刻を参考にするか、最寄りの駅員さんに「どこどこに行く?」と聞けばだいたい教えて貰えます。
乗り換えがギリギリだなーと思って探したローカル線のプラットフォームでは、発車予定時刻より5分以上長く列車が待っていて、ギリギリの人も乗せてくれ、のんびりしてましたよ。
コインブラからリスボン行きの特急。足下左のところに電源があり、コンセント(Cタイプ)があれば充電できます。
そのほか長距離バスや国外への交通
ほかにも、ポルトガル国内の移動には中距離や長距離のバス(SintraやMafraなどの近郊の街)、フェリー(リスボンの対岸に行けたりする)などがあります。また列車の場合、お隣のスペインや、その隣のパリや、スイスまで続く夜行列車もでています。
長距離バスについては、FlixBus(ドイツの会社らしいですが)というのが長距離で走ってるのが安かったので使いました。アプリで購入したチケットにQRコードがついていて、そのままQRをスキャンしてもらって乗車できます。
FLiXBUS: Low cost bus travel from just €5
夜行列車など、EU圏内を横断するインターナショナルな列車やバスについて調べるにはLOCO2が便利でした。ちゃんとした駅がわからなくても、だいたいの都市名で調べてもらえるのも便利だし、カバー範囲が広いので(国内線の予約購入には対応していません)、ふらっと電車でどこまで行けるか調べるにもよい。もちろん検索してそのまま購入ができます。超お勧めです。
LOCO2: Europe by train made easy
なお、私が購入した限りですが、列車の場合「印刷して持ってきてください」という注意書きがあるチケットがあります。スマホの購入画面を見せても乗れないのも怖いので、印刷してください、と書かれていたらホテルのカウンターなどで事前にチケットをプリントアウトしてもらいましょう。印刷が無理な場合、駅などで直接買うほうが無難かも。
EU圏の電車オタクのサイト?「www.seat61.com」でもだいたいチケットの購入はLOCO2を勧めていて超お勧めできると思います。このサイトすごい詳しい…