iBookstoreの基本フォーマットはePubらしい

アップルから発売される新型のデバイス「iPad」は、新しい電子書籍ビューアともいえるガジェットだ。
iPadは、iPhoneと同様、iTunesStore内のapp storeでアプリケーションを購入し、利用閲覧できる。app storeにはすでに多くの電子書籍が存在しており、iPadはそのままビューアとして利用できる。App Store の電子書籍は、現状では、1アプリ1巻となるため画面にアイコンが並びすぎてしまったり、また課金タイプのアプリでもいわゆる購入の入り口となるアプリが分かれることで、購入者が手間取るという問題がある。
今回発表されたiBookstoreは、iBooksという電子書籍用の公式アプリを使用する。これによって1書店(iTunesStoreの一部?)から、さまざまな電子書籍が購入できるようになるのであろう。
気になるiBooksでの電子書籍用フォーマットだが、ePubというオープンフォーマットになっているようだ(ePubが実現する表示は、現在のWebブラウザでもできる程度の表現力なのでサポートできないはずはないと思う)。DRMがないコピー可能な方式ということは、フェアプレイでなく、基本はコピーフリーか?? 図書館からコピーされたGoogle Booksで閲覧できる本のダウンロード形式には、ePubが使われている。
4月のスタート時に参加予定の出版社は、Harper Collins、Penguin Books、Hacchett Book Group、Simon & Schuster、Macmillan。
ちなみに、NewYork Timesの画面がPR画像に使われているが、あれはWebページだと思う。ところがメディア発表会のなかでは、NewYorkTimesのメンバーが登壇して、担当のアクションデザイナーと技術者が新しいNewYorkTimesのiPod(iPad)アプリをプレゼンテーションしている。こちらのほうでは、独自のナビゲーションが用意されているので、閲覧のしやすさはWebよりも優れる。



ジョブズの行ったiBookのプレゼンテーションを見る限り、iBooksで読める本は、何の変哲もないePubだと思った。2つ面白い点は、ページをめくる際の紙のめくれる様子がギミックとして表現されているのと、iPhone OSの搭載しているデバイスフォントが選べること。

ePubフォーマットだとレイアウトの自由度は低い(たとえば、複雑な段組みに写真を絡ませる・・・などは無理。)ので、なんらかの別フォーマットも電子書籍の拡充には必要になってくると思う。
現在、XML、PDF、Flash、Digital Editionsなどを使った電子コンテンツが存在するが、iPadはFlashには対応しないものの、PDFには対応しているし、現状のiPhone用の電子書籍は画像とテキスト、XMLを使い独自にくみ上げられているものもそのまま利用できるはず。
ジョブズもこのデモので使われた本の写真はモノクロだけど、ビデオでもカラー写真でも使えるよねってコメントが入っていたので、作り方次第ということか?
ということで、iPadは1フォーマットだけに限らないコンテンツ配信が可能だし、App Storeの使い方次第で、iBookstore以外の書店アプリもまだまだ拡充していくのかな・・・という気がした。これはおもしろいことです。