Kindleが俄然気になっている

Apple のiBooks StoreでのEPUB3受け入れがスタートしたそうです。これまでは限りなく独自拡張されたEPUB2だったのと、縦書きがiBooksでは対応していなかったりだったので、うれしい限り。ポップアップする脚注なども対応(HTML5でなく、EPUBの独自機能)とのこと

AppleがEPUB3形式の電子書籍入稿をサポート開始

さらに「日本ではスタート待ち」のいくつかの事柄について嬉しいニュースが続けばいいでしょうが、まだわからない。なんといっても個人ベースでの出版が可能なiBooks Authorは縦書きがないってことは、日本の小説・コラムには要望として厳しいわけですし。

現在は俄然、Kindleのほうが気になってきています。

本日、Kindleのけっこう長い道のりをまとめた記事を拝読。当時の立ち位置や進化の流れがわかります。

電子書籍界の黒船「Kindle」とは?(前編)
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1205/24/news005.html

当時ソニーの失敗もあって、「電子ペーパー」は日本ではオワコン的扱いだったのですけれど、アマゾンが出したら大成功したわけでその理由も記事には考察されています。が、結局これまでのKindleって「しょせん英語のテキストデータを読む向け」というイメージ。Kindle3を持っていますが、ページ表示の遅さなどはもうどうしようもありません、ペラペラ〜っとめくることはできません。まずカーソルを移動する気になりません。そこは現在、タッチになってずいぶんそこは改善されたかもしれませんが…!

そして今人気のKindleカラーデバイスKindle Fireと、そのデータフォーマットであるKF8、これぞ日本向けの本命だよねと、個人的には考えてます。

本当に見た目はmobi7以前とは全然違います。電子ペーパーKindle向けには古いデータを使っていて(これが適当にHTML+CSSで作るとバグりやすく、調整はHTMLソースに直接プロパティを追加するようなレガシーなコーディングが必要で非常によろしくない。EPUBから変換できるけれど、変換ツールのKindleGenだけでは不十分な模様)、iPhone、iPad用のKindleアプリ、Androidアプリ、Fire向けはKF8を使ってるのかなーと思います。Kindleは1つではなくあらゆるデバイス向けのアプリがあるので、見栄えも作りようによっては様々になってくるんですね(そこを1つのデータでやるべきなのでまた「どうやって作るのがベストか?」気になってくるのです)。

USでは販売されているサンプルもいろいろ出てきていると思うのですが、KF8ではリフローもできるし、Fix(固定レイアウト)もできます。最近いろいろ作業をしてきて思うのですが、対応スクリーンサイズが増えれば増えるほど、「やっぱり固定も必要…」の気持ちが強くなって来つつもあります。メディアクエリ有りか無しかみたいな意味でも手間から言えばナシで済めば越したことがないですし、EPUBビューアの最大シェアであろうアップルのiBooksが独自拡張であることも頭の痛いところです。ターゲットをどこに絞り、どのように機能を絞るか、と言えば簡単なことですが、捨てるものが大きすぎると感じると「やっぱり固定でw」となってきます。
EPUB3に固定の仕様がいち早く追加されたのも、「ビジュアル本はリフロー無理」の声が強かったからのようですし。

ここで言っている固定レイアウトはいわゆる1ページを1枚絵で配置するタイプの固定レイアウトです(テキストがリフローで画像がフィックスっていうのもありですが、それを考えると全部リフローでいろいろ考えるほうがいいかな…と)。固定レイアウトはリフロー縦書きが好まれる電子書籍の分野では嫌われがちですが、いやいろいろ考えると、特に書籍と同時販売することを考えると、判型の設計と、スピードが出れば問題ないかもなんですよね(そもそも自炊の満足度だって高いですよ。そういう意味ではフィックスは手動で作り、リフローは自動で作らせるiBooks Authorの考え方にはすごく共感はするのですが)。

レイアウトがくずれないとはいえ、固定で問題なのが最小スクリーンサイズと最大スクリーンサイズ。日本人のITリテラシーと小さいものを扱う器用さは世界一だと思うので、今後もスマホで本を読み、タブレットを使わない人はぐんぐん増えると考えています。 Kindleがスタートしても、今の段階では、ほとんどの人がスマホ持つようになっている分、読書専用にFire買わないと思うんだなあ…たぶん。どうでしょう? となるとやっぱりKindleでも、スマホにも最適化してかないといけないかなあと。

アップルが出してくるのは「見たことがあるような未来」で、アマゾンの場合は「現時点で最良の顧客満足」みたいなことをよく言いますが、現時点 で最良の電子書籍体験が近々できるかなあと期待しています。期待してるだけで作らないととは思ってるんですがね……