電子書籍を読むだけでやせられるか? 電子書籍の価値と価格
編集をお手伝いしたダイエット本が発売されました。
『運動指導者が断言!ダイエットは運動1割・食事9割 (impress QuickBooks)』
前回の電子書籍を出したときは春でしたが、それから半年以上にわたって好評いただき、現在でもKindle、Kobo、紀伊國屋ではかなり売れています。そして、ボーンデジタルの状態で(電子書籍しか発売されておらず、店頭での告知はもちろん、紙でおこなった宣伝は直接知り合いの方のおくばりしたカード以外はほぼゼロ)、紀伊國屋書店ブックウェブでは2012年の電子書籍売り上げランキング20位に入ることができました。
みなさまに興味をもっていただいたおかげです。電子書籍元年から3年目の今年はさらに業界が開けていくことを目指したいです。
ちなみに、流入の大きなところはツイッターで(も、もちろんFacebookでも)なく、著者自身のブログのようです。また、ブログの反響でバズが起きると、書店でランクがあがる→書棚の少ない電子書店ではランキングからの購入者も多く、ジャケ買いが発生するのではないか? と考えています。ただし、電子書店自体がパーソナライズされていっていると思うので「関連する本買い」のようなものも、今後は考慮していかないとならないと思います。
また、本書も踏襲した500円という価格は、実際のところ800円の店頭新書といい勝負になってしまうので、紙の本と同じ棚にならんでしまうKindleでは、必ずしも圧勝とはいかないと思っています。500円に対し、100円、300円との読者が求めることの差はどうだろうか、といったことも考えさせられます。
本書は、著者オリジンの内容であり、唯一無二のことを述べるところではありますが、ボリュームやおまけに関してサービスがないのか?という声も時には読者の方から聞こえてきました。たとえばデジタルなんだし、動画くれとか(いいアイデアですがw)。そのうえで、紙の書籍は本当に、、おまけ、サービス、てんこ盛りなのです。この違い、同じ商品をコンビニで買うか、スーパーで買うか、かもしれません(比喩の詳細は省略します)。もちろん、おまけも必要です。また、電子書籍もぶちあげるプロジェクトももうすこしあってもいいように思います。が、アプリやゲームのように資本を集め盛っていくようなことは、ほとんどの電子書籍で不要だと思います。
読めば面白い(役に立つ、元気が出る…など)から読む、のが本なので。
このエントリタイトルの「読むだけでやせられるか?」も、それに関連します。
500円でスポーツクラブの1回分(以下)、それで痩せたらスポーツクラブ代が全部いらなくなるよって人は居るでしょう。実際に全書とこの本の構想の話をきっかけに、知り合いの編集者が開眼し、半年で15キロほどやせてしまいました。当然服も変わるので生まれ変わって5歳くらい若返り、わーこれは「いつデブ」以来の衝撃だ、と。本書の意見を受け居られるかどうかは人それぞれですが、今回も、結果人生が変わった人が1人でも出てくる本になってくれたらいいなと思っていますし、300円でも500円でも人生が変わっちゃうのが本のすごいところです。
(ビジネス上は500円の本で電書のビジネス試算をすることはできているそうですが、こちら現場でその中身のクオリティを平均して上げる著者、制作者、編集者のまだ目処が立っていません・・・!)
【おまけ】
今回は、諸事情によってKindleを先行発売で、順次他書店でも販売開始します。現状では、あちこちの書店さんに扱っていただけることが、とても大切ですし、売上や認知の面でも切り札になっていると思っています。
アマゾンの場合、KDPを高級にしたような(?)契約出版社(ディストリビューター)向けの配信登録サービスがあるそうで(JEPAの12月の勉強会で紹介されていました)、まあプロも素人もサーバー登録→アマゾンさんがチェック→ほぼすぐにリリースという流れは一緒のようです。逆に、何時にリリースされるかは、やっぱりわからないし、販促用のしこみもしづらいな…という印象は受けました。やはり既存の出版ルートは、プロがいるので販促がしっかりしています。発売日や発売時間、告知用のランディングURL(自社で用意すべきなのでしょうか)、など、でき次第順番にやっていくという感じ。分担するとなるとバッチ作業になってしまい時間もかかると思います。そのへんのもやもやはアマゾンだけに限りません。これも考え方を変えるべきなのか対策を立てた方が吉なのか。