Kindle Print Replica — キンドルプリントレプリカとは

印刷された本向けのデジタル化ソリューション

レプリカは、一般に「模造品」のこと。

Kindle Print Replica は、もともと紙の本として出版されたコンテンツをKindleで読むために用意された技術。日本ではまだ馴染みが薄い(わたしもつい最近までよくわかってなかったので書いてます)。プリントレプリカの名のとおり、印刷物のレプリカ的なもので、一番近いイメージが、自炊本やPDF。

PDFにリンクが付いたような仕様で、レイアウトは固定で、ページ数も元の書籍と同じになる。雑誌やビジュアル中心の書籍ではレイアウトが複雑で、内容とそれぞれの位置関係が引き離しがたいので、それをKindleで読むために(出版社向けに)用意されたサービスのようだ。固定レイアウトなので、フォントサイズは変更できない。PDFとの違いは「ハイライト」「注釈」「同期」の機能があること。一方で、テキスト読み上げはサポートされていない。

現在Kindle Print Replicaの本は、U.S.のアマゾンサイトのみで見られ、[Print Replica]と書名のあとに記載されているものがそれである。現在は、書籍と、教科書で発売されているものがある。

Print Replicaを読むには、Kindle Fire、PC、Mac用のKindleアプリ、iPad用のKindleアプリのいずれかが必要。つまり、E-ink版のいわゆる薄くて小さいKindleでは未サポートで購入できない(KF8とは別物だけど、サポート範囲は似ている。ただし、スマートフォン系はサポートされていない)。

開いた感じはこんなで↓、ローカルにデータを置くのでPDFを別のビューアで見ているような感じだが、しおりやデバイス間同期(前回とじた場所)が可能なほか、選択した文字列から調べ物などできる。

ある調査では、50%くらいのPCユーザーがPDFを好んで利用していると言われ、大判本や技術書の電子書籍としては、現在のところはPDFが圧倒的な支持を得ているのである。だから、このスタイルでの読書は先進的で活発な電子書籍利用者にとってはとても自然なスタイルである。いやPDFでも読者はまあいいと思っているはず…(何かマルチメディアなサプライズを求めるのでなければ。また同時にこのように出版された本は得てしてすでに予算を使い切っているから、よっぽどのことがなければマルチメディアなサプライズを読者に無料で添加して電子版を配布することはできない)。

Print Replicaは新技術(フォーマット)であり、公開される(た)ものなのかと思っていたが、調べたら出版社向けにAmazonが独自に提供しているサービスのようで、個人のユーザーが利用したり、現状でSDKを手に入れることはできない模様。

日本ではPrint Replicaが利用されるか?

今年スタートする予定のKindle電子書籍サービスでPrint Replicaが利用されるかどうかについては、十分その可能性はあると思う。

そのメリットは、
出版社がアマゾンに並べる電子本の冊数を増やすのが楽なこと

  • つまり電子化コスト削減
  • 読みやすい(ただし大判のデバイスに限る)
  • アマゾンで売れる/買える

ではないかと思う。

デメリットは

  • 電子化コストの代わり、レベニューシェアに変動があるのでは
  • つまり結果的に電子化コストが増大?
  • 出版社は汎用的な自前データを持つことができない>他の書店向けデータは?
  • 使用感としてサプライズがない(iPadユーザーならマガストアで見ているのとあまり変わらない – – – 速度は変わるかも)

と想像する。たとえば自前の最終版PDFデータを納入すると勝手にデータができあがって販売が開始される・・・となると、やっぱり競合はマガストア(とFujisanなど)あたりかな。もしその際にアマゾンの販売・制作手数料がマガストアより高くて、本の価格は変わらないか、上げられない(アメリカでは電子版は紙より安くしないといけないお約束?)だとしたら、まあ悩むでしょうね。

ちょっと苦労しても自分で最終納品用の完成データ作っておこうかしらと考えるんじゃないかしら。それが汎用で入稿できるなら(=固定でもリフローでも、とりあえず今後ならばEPUB3ですよ!)、それでいいじゃないかしら…。みたいな。

あ、そういうことをいろいろと数字の分かるみなさん考えているのか…!?

おまけとして読書デバイスに、Kindle Fireを使われるかについて。最近では、Android Tabletのアメリカでの販売シェア50%がFireと言われているけれど、日本ではどうだろうか…。私なら、Kindle FireにKinoppyやHontoをインストールできない仕様になっていたらがっかりする。だったらGalaxy NoteやiPadにKindleアプリを仕込めばいいじゃんと思う。

ただ、難しいところで「読書端末」を持った上での電子書籍を買うモチベーションと、なんでもできる端末で1冊電子書籍買ってみるかってモチベーションは全く別。端末を買うと、突然1冊が20冊くらいになるということ、反対にユーザーの規模と性質もまったく異なるということ。だから業界(アマゾンも?)としては、専用端末を持たせたい。

これに関しては、「サービス提供側としてはLove度の高さ(相手がそこにどれだけ重要性を感じているか)が大切」という話(デジタルステージの平野さん説)が非常に腑に落ちる。

また単純な話で、販売の形態やフォーマットは、そういったユーザセグメントを考慮して選ぶべきだ。 逆もしかりで、コンテンツを考えるには、どの相手に届けたいのか(ヒット商品を買う「10人に1人」がどこにいる?)も考慮する必要がある。

関連URL
アマゾンのKindle Print Replicaに関するヘルプ 
http://www.amazon.com/gp/help/customer/display.html?nodeId=200738250

サンプル本を見てみるには
http://www.amazon.com/Actuarial-Textbooks-Kindle-Replica-Format/lm/R1JRN1CKKO8711
U.S.のサイトにサインインし、Sampleを指定のパソコンやデバイスに送信する(あらかじめKindleアプリでアカウント登録しておく必要あり)とサンプルが閲覧できる

 EPUB入門にどうぞ。

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